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レーザー治療、睡眠時無呼吸症候群

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レクイエム 3.11

2011/3

運命の日から2週間が経ちました。

震災のニュースにはいまだに目が行ってしまいます。
今回、一筋の光明が見えるとすれば、我らが日本人の人間力です。阿鼻叫喚の地獄絵の中で、取り乱すことなく深い悲しみを胸に秘めて前に向かって歩き出そうとしている人たちを見ると、心が揺さぶられます。
こうした時こそ、人として本当に強いかどうかが見えてきます。あまりに大きな悲しみのために心が閉じている部分があるのでしょうが、我慢強く、派手に騒ぎもせず、足元を踏み固めている被災地の人達に大きな敬意を表します。その心の中の涙や悲しみの量は計り知れないことでしょう。しかし強い心で運命を受け止めている。東北の人たちには魂があります。折れない心を持った、本当に勇気のある人達だと思います。
頑張ろう東北。頑張ろう日本。

現在は間違いなく、敗戦以来の日本最大のピンチだと思います。
今回の大災害には2つの要素があります。
天災と人災。
現代の大きな災害には必ずいくつかの要因が絡み合うのでしょうが、それぞれが今回ほど大きな問題になった事件はあまり記憶にありません。
M9.0の大地震。高さ15mの大津波。それだけでも世界を駆け巡る大ニュースです。
かたや、スリーマイル島、チェルノブイリに匹敵する原子力発電所事故。人類が最も望まない悪夢の一つです。
そんな歴史の教科書に載るような大災害が、2ついっぺんに私たちの国に襲いかかったのです。
そりゃ誰でもパニックにもなるし、混乱もします。
しかし、情報の伝え方に少し問題がある気がします。

政府や東京電力の情報開示に対する不信感が大前提にあります。しかし、大震災という天災に対する畏怖の念は影を潜め、原発事故という人災を現代社会に潜む危機や恐怖といったニュアンスで伝える報道が多い気がします。
マスコミがこぞってけたたましく報じる様は、ハリウッドのパニック映画のようです。
真実とは正確な情報の集大成である、と言います。
今、何か違和感のある情報の嵐の中で、出来るだけ正しく行動したいと思っています。

日本の各界の著名人が、多額の寄付を行っています。名もなき沢山の人々が、善意の義援金を出しています。素晴らしい事だと思います。
有名人の寄付の場合、「偽善」なんて事を言う大馬鹿者が必ず現れますが、 「偽善」 最高です。聖人なんていやしない世の中で、世俗にまみれたあなたと私、ここぞとばかりに偽善に走りましょう。
奥尻島津波被害の支援の時、泉谷しげるさんがゲリラライブの最後に言いました。
「寄付しろ。絶対に寄付しろ。これは脅迫だ。」
こんな素晴らしい脅迫を私はこれまで聞いた事がありません。

しかし、アクションヒーローでもない私が何が出来るのか。
ほとほと自分の存在の小ささを思い知らされます。
結局、毎日のやるべき事を、正確に、誠意を持って行う、それだけですね。
本当に心配なのは、私たちの子供達の世代にまた大きな「つけ」を押しつけてしまっていないか、です。

被災地の人たちに笑顔が戻るのを、原発の危機がどんな幸運を使ってもいいから解決するように願ってやみません。