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レーザー治療、睡眠時無呼吸症候群

blog ナゴブロ 院長ブログ

幻のケーキ

2017/04/11

昨年から月に1回、FMラジオで映画解説をしています。もう1年以上になりますが、取り上げる映画は話題のスターウォーズだったり、敬愛する黒澤映画だったり、カンヌのパルム・ドール受賞のトルコ映画だったり。
2月のキーワードは「大統領」でした。世界が激震したトランプ米大統領の誕生。そこから関連する映画を2本選びました。
1本は「大統領執事の涙」2013年米、そして2本目は、「大統領の料理人」2012年仏。

2本目の素敵なフランス映画は、仏ミッテラン大統領の料理人、ダニエル・デルプシュの物語です。彼女はエリゼ宮で初めてミッテランの食事を作った時、デザートに「サントノーレ」というケーキを作って、「祖母の味だ」と大統領を感激させます。それをきっかけに大統領から絶大な信頼を勝ち得て、男社会の官邸・料理人の世界で活躍していくストーリー。ほろ苦い展開があるも、女性の力強さに満ちた秀作です。

僕が気になったのが、この「サントノーレ」。
学生時代、放浪の最中にパリで押しかけの居候をしていた時(足立さん、その節はお世話になりました)、シャンゼリゼ通りの向こうのフォーブル・サントノーレは若い学生の僕にはちょっと敷居の高い、そしてきらめく憧れの世界でした。ちょっと背伸びをして歩いたセピアの思い出の通りの名前が付くお菓子があることを、映画で初めて知りました。
どんなお菓子なんだろうと、たまプラ、銀座、六本木まで探しに行きましたが、聞いたすべての洋菓子店で作っていないとの事。最後のジュエル・ロブションのパティシエさんが、「フランスの古典的なお菓子だけどあまり出ないのでほとんどつくることはない」とのこと。そこで食い下がると、その親切なお嬢さんはいろいろ調べてくれて、「都内だと、合羽橋にある『お菓子の森』さんが時々つくるらしい」と教えてくれました。うーん、合羽橋か・・。
正に幻のケーキ、サントノーレ!

僕は地元の大好きな洋菓子店に相談に行きました。青葉台の「メゾングラス・アンジュ」さん。ノーベル賞を受賞した島津製作所の田中啓二さんがお祝いのお返しにしたという「カーニバル」や、絶品のエクレアでうちのスタッフにも人気のお店です。
そこで特別注文で「サントノーレ」を作ってもらおう! いつものずうずうしさで人の好いマダムにお願いに行きました。彼女はパティシエ学校の講師もしており、僕の注文を喜んで引き受けてくれました。

さて、4月8日。ラジオのメインMC佐々木優太のミニライブが、青葉台の人気のベーカリー「コペ」さんでありました。「コペ」さんは番組のメインスポンサーで、僕を含めた番組の応援団、通称「優太組」のまとめ役です。そのご主人の奥山さんの協力で今回のミニライブが決定したわけですが、僕はここで優太組と常連の皆さんに「サントノーレ」を振舞いたいと思っていました。

「佐々木優太&優太組の皆さんと」

 

月一でのラジオ出演の拙い僕の話を面白く広げてくれる優太君や、奥山さん率いる「チーム・コペ」、男だけの飲み映画上映会を定期開催してくれる家具のウッディ-ハートの木村さん、街のオフ会・AFFの主催者でもあるサント薬局の山浦君など、青葉台やあざみ野、たまプラエリアの愉快な人たちです。

佐々木優太の温かい歌声で包まれたライブの後、いよいよサントノーレをいただきました。
これが・・超おいしかった!

「幻のサントノーレ!」

 

パイ生地の上に特別なカスタードクリームを盛り、カラメル付プチシュークリームが乗っている夢のケーキ、幻のサントノーレ!
結婚式などでデコレーションされる、クロカンブッシュの小型洗練スペシャルとでもいうのかな。アンジュさんの手による、幸せな魔法のようなケーキでした。

楽しい仲間とお酒と音楽とご馳走。
長津田から田園都市線でつなぐ絆に浸った夜でした。