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blog ナゴブロ 院長ブログ

女川中学生の冒険・5

2012/12

810日:横浜市中央卸売市場~マリノスタウン

 キャンプ最終日。今回の職業体験のテーマは「医療」と「食」で企画を立ち上げたが、水産の町女川の子供たちにぜひ大消費地である横浜における魚の流通の現場を見せたかった。その目玉の横浜中央卸売市場の午前4時半のせり見学があり、早朝3時起床、3時半に出発。 

市場を仕切る横浜丸魚に全面協力していただいた。丸魚の会議室で長靴に履き替え、わざわざ作っていただいたパワーポイントで市場の紹介と解説を聞いて、市場内の見学開始。

4時半から一般の鮮魚、5時半からマグロのせりが始まる。

仲買人たちはせりまでに所定の場所に置かれた魚を下見して、欲しい魚の当たりを付け値段を決めておく。そしてせりが始まると、独特の符号である指のサインで指値を伝え、それを受けるせり人が威勢のいい声とハンドベルでどんどん値を決めていく。素人ではやはり分からない。

マグロは市場内部の巨大な冷蔵庫の床に種類別(冷凍・生)のマグロが100kg前後の巨体を並べられている。肌つやとちょん切られた尻尾の断面で目利きが行われる。マグロのせり場は階段がしつらえられて、小さなスタジアムだ。

さて、セリは意外にあっという間に終わってしまい、市場のあちこちを見せてもらう。シラス専門店では、高級シラスを試食させてもらった。今、シラスは不漁で高値がついているそう。あまり高値では売れない。春からうなぎが高値で消費者に敬遠され、夏の土用丑にもうなぎが売れずにうなぎ屋は散々だったそうだ。経済問題、環境問題も勉強した。

紅鮭専門店では、今回の企画のためにわざわざ作ってくれたプリントで、鮭のいろはを教えてもらった。そしてカセットコンロで焼きたて鮭をご馳走になった。やはり紅鮭はうまい。

マグロ専門の仲買商では、マグロの解体を見せてもらった。刃渡り一メートルの刀のような包丁で腹を割き、えらからも包丁を入れて身をはがす。骨にへばりついた下ろしたての中落ちをご馳走になった。ほんのりと甘く大トロよりも美味い!

最後に市場事務棟の調理室に移動した。ここで横浜市南部市場の大物中卸商の村松社長に魚の調理を教わった。村松さんは日本お魚マイスター協会公認マイスターで、商売とはいえ種類、産地、時期、調理法を何でも知っている「お魚博士」だ。

海の町の5人は魚のさばき方が上手で、皆さんが関心していた。大なべでは南部市場共栄会の大川さんが売り出し中の「女川汁」を作ってくれた。何しろ超一流の目利きが市場のプロの皆さんの協力で選んでくれた魚の、おろしたての刺身定食だ。お金を積んでも食べられない至高の味だ

究極の朝ご飯をいただいて、市場見学は終了。丸魚の皆さんにお礼を言ってから市場を出発した後、橋の向こうのみなとみらいにある横浜F・マリノスの本拠地、マリノスタウンに村松さんたちは案内してくれた。クラブハウスに招待されたサッカー部の山下君は大喜びだった。大きなご褒美つきで僕たちの4日間は終わった。子供たちは少しだけ大人の顔になって女川へと帰っていった。

3.11の後、その目で確かめた東北の状態に衝撃を受け、探りで走り続けた私達でしたが、何とか気持ちを形にすることが出来て本当に嬉しく思っています。これもひとえにご協力いただいた皆さんのおかげです。

昭和大学横浜市北部病院、ロイヤルホールディングス、横浜市中央卸売市場、横浜市南部市場の皆さんには心よりお礼を申し上げます。そして素人の私達を支えていただいた方々、学生ボランティアの松瀬佳菜子さん、名古屋良太君、本当にありがとうございました。
達はこの小さな活動を今後10年間継続していきたいと思っています。
これからもこの活動にご協力、ご支援をお願いできれば幸いです。
今後とも末永くよろしくお願いいたします。

     おながわ教育支援プロジェクト(O-JIS)
                            名古屋 孝夫
                            宗前 清貞
                            木村 奈保子