ナゴブロ【コロナウィルス奮闘記】

なごや耳鼻咽喉科

なごや耳鼻咽喉科

耳鼻咽喉科 アレルギー科
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院長ブログ

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[掲載日:2021/09/10]

コロナウィルス奮闘記

東京オリンピックをまさかの無観客試合に追いやった新型コロナウィルスデルタ株 。
コロナ感染では死亡率の低さを誇る世界の優等生、その背景は衛生順守の国民性からか、遺伝子的な優位性かなどの声があったのはいつの頃だったのでしょう。
コロナ感染爆発に日本中が恐怖で麻痺している状況を呆然と眺める日々です。

よく知り合いの皆さんに、「コロナと闘う医療者の方々、本当にありがとうございます」と言っていただきます。
しかし、これは正確ではありません。医療従事者の中でコロナ診療・治療をしている方々は一部であり、大学病院などの基幹病院や勇気を持って手上げをされた医療機関なのです。そうした病院のスタッフの方々には本当に感謝とリスペクトです。
私は正確にはコロナファイターではない医療者でした。

当院はクリニックビルの5階にあります。
発熱患者を診察する発熱外来を行うには、一般の患者さんと発熱患者さんが混じらないようにしなければなりません。そこでの感染が起こらないように動線を分ける必要があります。発熱患者さんを屋外駐車場のテントなどで診察するのはそのためです。当院のあるビルの5階には皆さんに一機しかないエレベーターで来ていただいています。そこにあらかじめ発熱がある患者さんに乗ってもらって発熱外来を行うのは、一般患者さんのリスクを増やすことになります。そうした理由で当院では発熱外来を行なっていません。
そこで当院では発熱外来以外のコロナ診療活動として、皆さんへのコロナワクチン接種医療機関として活動してきました。

また私は医師会の役員として、院外でのコロナ対策にも積極的に参加してきました。
緑区医師会では新横浜の国際競技場・日産スタジアムの駐車場で横浜市との協力でPCR検査を行ってきましたが、緑区医師会側の責任者として参加協力してきました。冬は寒さに震え夏は汗まみれの屋外検査に、スタッフの皆さんとともに数多く出動してきました。
皆さんご承知のコロナワクチン集団接種。やはり緑区医師会の責任者として緑公会堂での接種に休日出動で参加してきました。
しかしこの夏のデルタ株の感染拡大はただ事ではありませんでした。基幹病棟のコロナ病床がパンクする事態の中、コロナ陽性の軽症者に自宅や借り上げ隔離宿泊施設での隔離滞在をお願いしている現状です。
そうした中、軽症と診断され自宅療養を指示された患者さんたちが自宅で症状が重くなった時に、入院までの間に緊急避難的に酸素投与をする施設・神奈川県緊急酸素投与センターが開設されました。
場所は閉館した伊勢佐木町のワシントンホテルです。下層階は横浜市で借り上げた、軽症者の隔離宿泊施設として利用されています。
その酸素投与センターに出動してきました。

1回目は8月31日、2回目は9月8日でした。両方とも平日の当院の診療の後、夜8時からの夜勤としての12時間勤務でした。

開業して15年。以前の勤務医時代は月に数回の当直があり、救急車での夜間救急患者の対応を行っていました。勤務していた病院によっては全科当直のため、内科や脳外科の急患診察に夜中に何回も呼ばれたものでした。
開業してからは、レーザー治療や舌下免疫治療開始時の患者さんから夜中に電話がかかることもありますが、今は年間1〜2回でしょうか。夜間急患対応の現場からはかなり遠ざかっています。

実は私は高校時代に「MASH」という映画で医師という職業に興味を持ったという、野戦病院向きの性格の医師です。
若い頃は他流試合のつもりで喜んで当直のアルバイトに行っていました。
その頃のように心は青年医師、コロナ何するものぞと、勇んでの今回の出動でした。
関内の大通り公園に面した、伊勢佐木町ワシントンホテル。
横浜のランドマークの一つですが、コロナ禍でのインバウンド需要消失のため、本年残念ながら閉館しました。
出動時、ビルの1階でごつい警備員と17階の本部との無線でのやりとりの後入館が許され、廃墟のような薄暗いフロントを通りエレベーターでセンターへ。まるでゾンビ映画の中の要塞のようです。
17階には本部のほかに、スイートルームを利用した医師看護師の待機所、客室をそのまま利用した当直室。
18階の宴会場が患者さんの宿泊場所。我々は階段で18階に上がり防護服で武装した上でレッドゾーンに立ち入ります。
1回目はなんと一晩で緊急搬送の患者はゼロでした。頭の中は?マークだらけでの終了でした。
2回目は、一晩で4人の緊急搬送。これでもイメージより少ない。
しかし15年余の時を超えた当直勤務は、私に医師になった頃の気持ちを思い出させてくれました。
緊張感のある現場。私の指示でテキパキと動いてくれる看護師の皆さん。
そして私たちの診療で患者さんの顔から不安の色が消えていくのを感じられるのは、医療者冥利に尽きるものです。
またお呼びがあれば、協力に馳せ参じたいと思った当直勤務でした。

これからもこのいまいましいウィルスと私たちの戦いは続くでしょう。
その中で油断せずファイティングポーズのまま、医療というリングの上で立ち続けていたいと思っています。

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