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blog ナゴブロ 院長ブログ

そこに AI はあるんか?

2022/06/06

コロナウィルスによって変わってしまった世界。
そう書くとSF小説のようですね。
世の中は変化します。ウクライナ・・・・で戦争が始まり変化した世界。歴史は動いています。
そんな中、ある教授の講演会で聞いた話が興味深かったので私の考えを含めてお話しします。
その話題は「AI」。人類の未来を考える上で、AI はキーワードの一つです。

日々進化を続けるAI。私たちはその恩恵を受けながら毎日を過ごしています。
将棋のトップ棋士がAIと勝負をして勝つかどうか。時々ニュースになりますが、だいぶ人間の旗色が悪くなってきている現実があります。
お掃除ロボット、食品や室温の温度管理、多くの家電製品の調整、車の安全運転サポート、スマホでの検索機能。その中でAI は活躍しています。
当たり前の日常の中で私たちは、AIのおかげですごく便利になっています。

そうした社会を前提にAI関連で、2029年問題と、2045年問題というのがあるそうです。
そのちょっと怖い中身とは。

2029年、AIの能力は人間とほぼ同等になるだろう。
判断力はどんどん進歩してきています。7年後の世界です。
2045年、知的作業を行う部分は、ほぼAIで置き換える事が出来るようになる。
高度な判断を伴う知的作業こそAIの得意分野であり、それが人間のサポートではなくメインの担当者足り得る存在になるかもしれない。23年後の世界。

そこには明るい未来があるようにも思います。人間が仕事をしなくていい漫画的未来。
しかしその裏にある、淘汰される職業、奪われる仕事という問題があります。
また映画に出て来るような、「人間対AI の壮絶な戦い」の可能性はないのか。

自分の年齢に7年、23年を加えて自分の生活を想像した時に、自分がどう評価されているのかは恐ろしいことです。自分の職業がまだ稼げるものとして存在するのか。
23年後は私はそろそろ現役を卒業しており、その判断は次の世代に判断されるものでしょう。しかしそれは判断を人任せにする、ずるい考えでもあります。

そしてリスクの問題でもAI は関係します 。
大げさに言うと、人類の未来に対するリスクです。
偏執的な独裁者の意思で戦争が起こり、一般市民を殺し、財産や歴史を破壊する蛮行が起こっています。
人間が判断する社会で、幾多の戦争が、大虐殺が、大規模な自然や文化の破壊が行われてきました。そして今なお行われる愚行。歴史に学ばない、人類の進化には限界があるようです。
「平和」や「自由」「平等」「繁栄」をキーワードに、AI に政治判断を任せる方が人類の未来は明るいかもしれません。

ビッグデータをもとに判断するAI は進化を続け、個人の経験を思考の基準とする人間の行動より、はるかに合理的でミスの少ない存在になるでしょう。1体1で優劣をつけるなら、AI に勝る人は超優秀な天才に限られるでしょう。
コストも大きな問題です。いい仕事を安価でする存在があれば、世の中のニーズはそこへ向かいます。
高額の高級対応か、安価な一般対応か。価値が2分化する世の中ですが、安価希望が多数派でしょうか。そして安価で内容が良ければ、高級対応に勝ち目は少ない事になります。

医療はというと、SF映画では宇宙船の中で怪我や病気の乗組員の診断治療は、電子頭脳やロボットが行います。採血や検査といった一般作業のみ人間が行うイメージ。
そうした未来を作家達は想像し、現実もそれに近づいていくのかもしれません。
そうした先には、風邪や高血圧などの慢性疾患は一般コースとしての安いAI 診療、お金持ちは高級な人間医師の診察という事になるのかもしれません。そうした世界では多くの医師も失職し、又は単純医療作業員になるかもしれません。

私たちは自分たちの将来を考える時に、自らの職業の永続性を含め、今こそ明るい未来のためにできる工夫を考える時だと思います。
AI を恐れ忌み嫌い排除するのは、人類の進化に逆らうので無益な事です。
目指すべきは「 AI に支配されずに、上手に利用する仕事・生活」だと思います。

私たちにとって、仕事や生活の中に「多様性」や「創造性」を加える事で、AI の一番得意な「合理的回答」だけでない回答、解決策を導き出す事が重要ではないでしょうか。
創造性・文字通りの人間性をキーワードに、哲学的価値のある答えを出す事がAI に対抗する人間の価値になります。「福祉」や「思いやり」を加える事で導かれる答え。流行りのSDGsにつながる、共助・社会の豊かさを含んだAI 的でない答えこそが、私たちが私たちである意味だと思います。
それが2029年、2045年に必要とされる存在であり、職業であると思っています。