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レーザー治療、睡眠時無呼吸症候群

blog ナゴブロ 院長ブログ

ただ平和のためだけに

2022/07/11

参議院選挙が終わりました。
結果はご承知の通り、自民党の勝利。
世の中の右傾化に拍車、という評価になることでしょう。

選挙期間中に、恐ろしいことが起こってしまいました。
安部晋三元総理への銃撃・殺人テロ行為です。
衝撃は世界を駆け巡り、主要国の指導者からの弔意が素早くそして沢山届きました。
その中にはロシアのプーチン大統領からの弔電すらありました。
約8年間も日本を率いた安倍さんの世界での影響力、外交努力の賜物だったと敬意を感じます。
安全保障、対中政策、消費税増税とアベノミクス、長期政権での業績は多大です。
勿論、功罪を様々に語られる政治家でした。「もりかけ・桜」という負のキーワードも消えることはないでしょう。
無駄なアベノマスクもありました。経済政策の評価も、歴史が採点するのを待つばかりです。
しかし、安倍一強と言われた時代を作り、戦後最長の内閣を率いたカリスマには大きな理由があるはずです。
熱狂的な安倍信者でなくても、今回の事件で元気を失った方は多いのではないでしょうか。
私もその一人です。
言論を暴力で否定するのは最低の行為です。知性のない人間の愚行であり、民主主義・平和への恥ずべき行動。
その矛先が、21世紀の日本の力強いリーダーだった安倍さんに向けられたのはとても悲しいことです。
私も安倍信者ではありませんでしたが、今回の事件は、私にとってあの2人の喪失と同じ様な衝撃でした。
アフガニスタンに散った中村哲先生と、ジョン・レノン。
二人の偉業との比較には、色々ご意見もあるでしょう。私が思うのは、どんな偉人でも100%の善人ではない。人間臭い部分と業績との天秤で評価が決まります。
平和を説いたジョンと、改憲派の安部さんの世間でのイメージの違いも判ります。
誰も考えもしなかった、極貧のアフガンに夢を与える奇跡を成し遂げた中村先生と、政治と外交のスターだった安部さんとの距離感も、語るのは困難を極めます。
中村先生への尊敬の気持ちと比べて個人的な思い入れは違いますが、ただ間違いないのは安部さんが私たちの社会を長く率いたことへの影響は大きいということです。
安部さんの業績は民主主義のプロセスによって成し遂げられたものであり、その業績も彼自身も、絶対に暴力よって失われるものであってはならないのです。

7月9日に、私が所属する横浜市緑区医師会の結成50周年の式典がありました。
本来なら昨年が50周年だったのですが、コロナの影響で1年延期になった式典でした。
役員として今回の式典の準備を行いましたが、同じ様に手伝った10年前の40周年式典からの10年間の医師会の出来事をスライドショーにまとめました。そして気がつきました。
医療にも、世相を反映したトレンドがあります。
この10年を振り返ると、10年前は東日本大震災の影響でキーワードは「災害医療」でした。
3年前からは新型コロナウィルスからの「感染対策」。
そして今年の春からは、ウクライナ戦争や直近の安倍さん事件で「平和」になるのではないでしょうか。

当たり前の平和の生活で、危険への備えを忘れがちな私たち。
その延長で、人に頼ることが当たり前の気持ちになっていないでしょうか。
もちろん、健康不安者や災害被災者への援助は社会保障の前提です。
ただその前の準備や自助への努力を忘れずにいたいと思います。

健康において、普段からの体調管理はとても大切です。
バランスのいい食事やスポーツジムでの運動。
でも分かっているけど、ちょっとめんどくさい。
からあげや豚骨ラーメンやポテチの誘惑。だらける楽しさ。
夜更かししてYouTubeやゲームする快楽。
人をダメにする笑コンテンツが、安価にたやすく手に入ります。
そんな時代に健康を維持する努力、小さな本気が皆さんの健康のレベルを上げます。
その努力や本気は、平和な世界を前提にしたものです。
平和が失われた時、そうした営みは失われ、不健康が死や生活破壊につながります。
TVの画面から伝わる戦禍のウクライナは、まさにそうした悲劇の中にあるのです。

健康は平和と同じように、失って初めてその大切さがわかるものです。
そうした幸せを願う気持ちが、残酷に奪われることが無い様に祈ります。
そして私たちの生活がより安心・安全なものであるように願っています。