ナゴブロ【医師会副会長就任】

なごや耳鼻咽喉科

なごや耳鼻咽喉科

耳鼻咽喉科 アレルギー科
神奈川県横浜市緑区長津田5-4-1-5F 長津田駅前

ナゴブロ
院長ブログ

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[掲載日:2020/05/13]

医師会副会長就任

横浜市緑区医師会で副会長を拝命しました。
なごや耳鼻咽喉科は2006年に開業し、以来14年地域医療に勤しんできました。
現在お引き受けしている学校医は7校、昭和大学藤が丘病院や町田市民病院など地元の基幹病院の協力医としても指定をいただいています。
開業の志であった「地域医療への貢献」を少しずつ実現していると自負しています。
2011年の東日本大震災の時の復興支援活動の実績を買われて、緑区そして横浜市医師会では 長く災害医療担当の役員をしています。
横浜市医師会で災害医療が大きなテーマになる中、このたび緑区医師会で災害対策などを担当する副会長職にご指名いただきました。

現在、コロナウィルス感染が世界中の大問題です。国民の生命を守る必要があり、医療崩壊前夜として、オールジャパンで早急かつ臨機応変に対応する国難ですね。
医療従事者の共通認識は「これはある意味災害である」というものです。医師会としても、僕個人としても本腰で努力対応させて頂く案件です。

今、私の考える災害医療での課題は3つあります。

 

@ コロナウィルス対応

コロナウィルスの感染拡大を防止するには、行政と医療が一丸となって行動する必要については周知のことです。
パニック映画のように一人のヒーローの活躍でハッピーエンドになるはずはありません。
基本はワクチンと治療薬の2本柱が答えです。それに向けての世界の努力に期待しています。
そうした本質的な部分以外に、地域医療、医師会活動として現実的な側面も考える必要があります。

コロナウィルスでは多くの医療施設、特にクリニックの医師やスタッフの感染事例が出て来るでしょう。規模の小さな医院では経過観察期間を含めて2週間の休診の可能性があります。その時の医療継続の工夫として遠隔診療を使えるかどうかの勘案です。
感染した医師が無症状や軽症の場合、非感染を確認したスタッフにクリニックを開けてもらい、遠隔診療・スマホ診療として、自宅安静中の医師が患者さんに直接会わずに遠隔診療を行い、必要なら処方を行うという方法です。
勿論ハードルは高く存在します。遠隔診療の施設基準、遠隔診療のためのインフラ、患者さんにしてもらう遠隔診療の準備(クレジットカードの登録など)、スタッフ感染が出た後の医院の消毒、事務作業への指導など、必要事項は多岐に渡ります。
何より自らが患者である医師が、休養せずに労働をしていいのか。休診保険の確認もあります。
ほとんどのクリニックでは家賃・光熱費・人件費の固定費が発生しますので、診療規模が小さくても遠隔診療を行えば、売り上げゼロは免れ医療継続の助けになります。ロックダウン時も診療規模が縮小しますので、検討する価値があります。
長期休診を余儀なくされた時、経済的理由が原因で廃業する医院が出ないための支援も医師会の役割です。

 

A 電子お薬手帳

以前から災害医療担当理事として、電子お薬手帳活用・普及・改善を検討していました。
大規模災害発災時に、身につけて逃げる最低限のものは、財布とスマホでしょう。
持病のある方も、お薬手帳や内服薬を持って逃げる余裕がない場合が想定されます。避難所で安全確保した後、普段のお薬の情報がスマホにあれば、医療支援チームが被災地に入った時に治療条件が大きく改善します。
現在、日本薬剤師会作成のものを含め、大手調剤薬局作成のものなどいくつかの電子お薬手帳は使われています。
しかし、その情報は不十分です。

理想的には、かかりつけ医のカルテの情報と同じものがあるのがベストです。
必要なのは、病歴、病名、経過、経時的検査結果、先発薬品名併記の処方薬品情報。
その作成を阻むものとして、個人情報保護へのリスク、医療機関のカルテ開示への考え方、その情報を誰がどうやって入力するのか、誤記、いわゆる保険病名の問題などがあります。
ハードルは限りなく高いのですが、薬剤医師会と討議をしながら既存のもののグレードアップを進めたいと思っています。

 

B 災害医療活動の基盤強化

横浜市18区で、大規模災害発災時の活動はすべて同じではありません。
発災時に基幹病院や医師会館に救護センターを設ける区と、区内巡回を行う区があります。
まず念頭の地震災害時に、中区や鶴見区や金沢区のような臨海地区と、緑区や青葉区や旭区のような内陸地区とでは被害の状況が全く違うでしょう。

次に拠点病院問題。横浜市には災害拠点病院が13病院あります。横浜市は全18区です。つまり災害拠点病院がない区が6区あります。金沢区には横浜市大病院と横浜南共済病院の2病院があります。
当院のある横浜市緑区は、残念ながら災害拠点病院がない区です。
横浜市緑区は、地政学的には海から遠く津波の心配も少なく、地盤の強い地区です。大規模災害での予測では人的被害の少ない区です。それでも必ず事故や怪我は起こります。

緑区の災害医療体制は、大規模災害発災後に緑区医師会員有志からなる、医療救護隊による活動です。参集した医師・看護師・区役所員のチームで、区内巡回による一次医療と受傷者のトリアージを行います。
医療救護隊参加以外の医師たちは、それぞれの医療施設で診療活動を行います。
重傷受傷者で区内の医療機関で対応が難しい時は、青葉区の昭和大学藤が丘病院か、港北区の横浜労災病院か、旭区の聖マリアンナ大学横浜市西部病院に患者さんを搬送し治療をお願いすることになります。
3病院さんとは普段から顔の見えるおつきあいをさせていただいて、発災時のご協力をお願いできる関係を構築しています。当然各区内の患者さんの対応もあるのでバランスの問題になります。緑区医師会の専従活動としての医療救助隊の名簿は5月に刷新して、機動力を上げました。
今後も医師会員の皆さんの協力を仰ぎ、訓練や改善でできる限り対応していきたいと思っています。

自分の今後の医師会活動をどうしようか迷いがありましたが、311以来災害医療をライフワークにするつもりでおり、これからも医師会のお手伝いをさせて頂こうと思っています。今後ともよろしくお願いいたします。


東日本大震災時の奇跡の一本松

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